高齢猫用キャットフードの特徴と選び方
猫は7歳を過ぎると、緩やかに老化が進んでいきます。高齢猫は、成猫と比べると運動量が減り、筋力の低下によって基礎代謝量が落ちます。そのため、高齢猫に必要なカロリー量も少なくなります。
1.高齢猫用キャットフードとは
高齢猫用キャットフードは、高齢猫にとって不足しがちな栄養素を補給できるように配慮されています。また、成猫用キャットフードと比べると、カロリーが少なくなっています。
運動量が減り、基礎代謝量が低下する高齢猫に、成猫用キャットフードを与え続けてしまうと、肥満の原因にも繋がります。
7歳を過ぎた高齢猫には、高齢猫用のキャットフードに切り替えて、健康を維持できるように栄養面からサポートしましょう。
高齢猫になってくると腎不全や心臓病、尿路疾患など様々な病気にかかりやすくなるので、栄養バランスの良い老猫用キャットフードと新鮮な水を与えることや、運動不足にならないように適度に遊びに誘うことが大切です。
2.高齢猫用のキャットフードの選び方
(1)高齢猫にとって必要な栄養素が含まれているキャットフード
高齢猫は運動量の低下や基礎代謝量が落ちるので、カロリーを摂りすぎないようにすることが大切です。
しかし、低カロリーであるだけでなく、高齢猫にとって必要な栄養素が充分に含まれているキャットフードが望ましいです。高齢猫にとって必要な栄養素は、良質な動物性タンパク質やカルシウム、ビタミンなどです。
動物性タンパク質には、組織の成長とエネルギーに必要なアミノ酸が含まれています。
アミノ酸の一種であるタウリンは、健康な心臓や目を維持するために必要な栄養素です。猫はタウリンを体内で合成することができないので、食事から十分に摂取する必要があります。
タウリンが不足すると、拡張型心筋症や中心網膜変性のような心臓や目の病気になる可能性が高くなります。
カルシウムは高齢猫の骨や歯を強くします。
しかし、カルシウムなどのミネラルは、吸収されにくい性質があり、またミネラルは摂りすぎると腎臓に負担がかかるので猫にとって害になる可能性があります。
栄養が偏らずにバランスよく摂取できる総合栄養食の高齢猫用キャットフードを与えていれば、ミネラルを過剰摂取する心配はありませんので、購入する際にはしっかり確認してください。
ビタミンDはカルシウムの吸収を助けます。また、ビタミンは視覚や代謝機能を維持する役割があります。
高齢猫は、カルシウムやビタミンDをバランス良く摂取することが望ましいです。
そして、加齢とともに筋力が落ちてくると、関節にも負担がかかります。シニア猫用のキャットフードの中には、コンドロイチンやグルコサミンなどの軟骨成分が含まれているキャットフードもあるので参考にしてください。
(2)穀物が少ないキャットフード
猫は年をとると、消化機能が低下します。消化しにくい穀物は、高齢猫の内蔵に負担をかけてしまいます。
高齢猫には、なるべく穀物が入っていないグレインフリーのキャットフードを選びましょう。
安価な高齢猫用キャットフードの中には、低カロリーという名目で、原材料に動物性タンパク質の割合が少なく、穀物を多く使っている物もありますので、注意してください。