キャットフードに含まれているトコフェロール(添加物)
1.トコフェロールとは
トコフェロールとは、脂溶性ビタミンであるビタミンEの一種です。トコフェロールには、α、β、γ、δの4種類があり、その中でもα-トコフェロールが最も抗酸化力が高いです。一般的にビタミンEの効能は、このα-トコフェロールの効能のことを言われています。
トコフェロールは、動物性食品や植物油などにも含まれています。また、栄養補給や疾病の治療にも利用されています。
2.トコフェロールの役割
ビタミンEであるトコフェロールの最も大きな役割は、抗酸化作用です。トコフェロールが老化の原因になる活性酸素と結びつくことによって、活性酸素の働きを抑制します。
さらに、細胞膜に損傷を与える可能性が高い酸化物や過酸化物の影響から、細胞を保護する役割を果たします。このような働きによって猫の老化やガンなどの病気を防いでくれます。他には、繁殖機能の増強や免疫機能の向上にも役に立ちます。
トコフェロールは、その高い抗酸化力によって血液中のコレステロールの酸化を防いで血管壁を強くするので、動脈硬化を予防する効果にも期待できます。
このようにトコフェロールの優れた抗酸化作用は、猫の老化を防いで健康の維持をサポートしてくれる成分です。
トコフェロールの働きを最大限に活かすためには、ビタミンCも摂取することが大切です。ビタミンCは、活性酸素と結びついたトコフェロールを元に戻す働きがあります。この働きによって、活性酸素による老化の進行をより防ぐことができます。
トコフェロールが不足してしまうと、生殖障害や筋力低下などが起こる可能性があります。
また、免疫や皮膚にも悪影響を与えるため、キャットフードはトコフェロールが含まれているものを選びましょう。特に、慢性腎臓病の猫はビタミンEとビタミンCが低濃度になり、脂質が酸化しやすくなるためトコフェロールを十分に摂取することが大切です。
3.トコフェロールの過剰摂取に注意しよう
トコフェロールのような脂溶性ビタミンは、水に溶けにくく脂に溶けやすいという特徴があります。そのため、トコフェロールを過剰に摂取してしまうと体内に蓄積されやすくなるため、摂りすぎに気をつけましょう。
また、トコフェロールの過剰摂取は、ビタミンDとビタミンKの働きを弱くします。生後3週目の子猫に対して、一日に100mg~200mg/kg程度を与えると命を落とす危険性があるという研究結果もあるため、特に子猫には注意が必要です。
トコフェロールは他の脂溶性ビタミンと比べると毒性は低いですが、猫に与える際は必ず適量を守ることが大切です。