キャットフードに含まれているタンパク質
1.タンパク質とは
タンパク質は、体の健康を維持するために必要な5大栄養素の一つです。
内臓や筋肉など体を作る材料になり、エネルギー源としても利用される栄養素です。また、タンパク質は酵素として、体の調子を整える役割もあります。
猫の肝臓は、酵素活性が非常に高いです。このため猫は犬の1.5~2倍、人間の5~6倍のタンパク質が必要です。
肉食動物である猫は腸が短く、タンパク質の消化や吸収に優れた能力を持っています。
タンパク質はアミノ酸が鎖状になってできています。約20種類のアミノ酸からなり、そのうち猫の必須アミノ酸は11種類です。
必須アミノ酸は猫が自分の体内で作ることができないため、キャットフードから摂取する必要があります。
猫が肉や魚などからタンパク質を摂取すると、消化によって約22種類のアミノ酸に分解されます。そして体タンパクに組み替えられるのです。
他には血液や細胞に蓄えられるアミノ酸や、エネルギーとして利用されるアミノ酸もあります。このようにタンパク質は、猫の体の様々な場所で有効に活用されます。
もしタンパク質が不足してしまうと、皮膚や毛の劣化や食欲減退、子猫の場合は成長不良を起こすなど様々な症状が現れる原因となるため、タンパク質を毎日十分に与えることが大切です。
猫が一日に必要なタンパク質は、一日の食事量の約30%程度です。タンパク質を十分に補給するためには、肉や魚などの動物性タンパク質を主原料として使っている良質なキャットフードを選ぶようにしましょう。
2.猫に必要な必須アミノ酸
(1)タウリン
必須アミノ酸の中でも、特に必要なものがタウリンです。
タウリンは動物性タンパク質に含まれていて、猫の目の健康や心臓のサポートに役立つアミノ酸です。
タウリンが不足してしまうと、心筋症や中心性網膜萎縮、免疫機能不全などを起こす可能性があります。タウリンが不足しないように、猫には良質な動物性タンパク質をしっかり与えることが大切です。
(2)アルギニン
タンパク質は、猫の体内で分解されるときにアンモニアを生成します。アルギニンはこのアンモニアを尿素に解毒するために重要な働きをするアミノ酸です。
アルギニンが不足してしまうと、猫の体中に毒素が回ることによってアンモニア血症を起こし、最悪の場合は死に至ることもあります。
3.タンパク質の摂り過ぎに注意しよう
猫にとってタンパク質は重要な栄養素ですが、沢山摂り過ぎてしまうと体内で消化されずに余ったアミノ酸が、脂肪や糖に換えられて肥満に繋がります。また、肝臓や腎臓にも負担をかけてしまいます。
そのため腎臓病の猫は、タンパク質の摂取量を制限する場合があります。
猫がタンパク質を過剰に摂取しないように、毎日の食事は栄養バランスの良いキャットフードを適切な分だけ与えましょう。