キャットフードに含まれているミネラル
1.ミネラルとは
ミネラルは、猫の体の機能の働きを保つために必要な栄養素です。
ミネラルの種類は100種類以上ありますが、その中で猫に重要なミネラルは12種類です。
猫にとって必須のミネラルは、カルシウムやリン、カリウムやナトリウム、マグネシウムや
塩化物です。これらは一日の必要摂取量が100mgを超えています。
反対に一日の必要摂取量が100mg以下のミネラルは、鉄や銅、亜鉛やマンガン、セレンやヨウ素です。
ミネラルは、キャットフードに「粗灰分」と表示され、含まれているミネラルの量が記載されています。
猫はミネラルを体内で合成することができないため、品質の良いキャットフードから体内に取り入れる必要があります。
ミネラルの必要な量は微量ではありますが、体を構成する材料にもなる大切な栄養素であるため、食事からしっかりと補給しましょう。
体の中でミネラルが正しく機能するためには、他のミネラルとのバランスが大切です。特定のミネラルだけ過剰に摂取すると、他のミネラルの吸収が妨げられて欠乏してしまいます。すると、猫の健康面に様々な悪影響を与えます。
ミネラルがバランス良く配合されているキャットフードを選ぶために、それぞれのミネラルの特徴を知りましょう。
2.ミネラルの種類
(1)カルシウム
カルシウムは、健康的な骨や歯を作るために大切な成分です。腸管から吸収されたカルシウムは、血液に溶けて体の様々な組織で活用されます。
体内に取り入れたカルシウムを十分に吸収するためには、ビタミンDとのバランスが大切です。ビタミンDが不足しているとカルシウムが十分に吸収されず、骨が弱くなってしまいます。
反対にビタミンDの割合が多いと、骨に蓄えられていたカルシウムまで放出されてしまい、骨が弱くなります。
キャットフードを購入する際は、カルシウムだけでなくビタミンDも含まれているか確認してみましょう。
(2)リン
リンは炭水化物や脂肪の代謝を助ける働きや、細胞膜や脳の形成に重要な働きをします。
また、カルシウムと結合することで健康的な骨や歯を作ります。
リンが役割を果たすためにはカルシウムとのバランスが大切で、リンとカルシウムの比率は1:1~1:2程度が望ましいです。
リンがカルシウムよりも多過ぎると、骨の中のカルシウムが血液に溶けて骨が弱くなります。
リンがカルシウムより少なくても、骨の発育不全や骨折といった症状が現れる場合があるため、リンとカルシウムのバランスが良いキャットフードを選択することが大切です。
(3)カリウム
カリウムは、心臓や筋肉を調節する働きがあります。また、体の中に増えすぎてしまったナトリウムの排出を促す役割もあるミネラルです。
カリウムが不足してしまうと不整脈や筋肉の麻痺といった症状や、腎臓や心臓の障害を起こす原因にも繋がります。
(4)鉄
鉄は血液の中のミオグロビンやヘモグロビンを生成するミネラルです。ミオグロビンやヘモグロビンの働きによって、赤血球は体全体に酸素を運ぶことができます。
鉄が足りないと疲労や貧血などの症状が現れるため、適量を食事から摂取する必要があります。
(5)亜鉛
亜鉛は様々な酵素の構成成分として機能して、DNAやタンパク質の合成を促進する重要な成分です。
亜鉛の必要な量は、他の栄養素の割合によって左右されます。植物性タンパク質やカルシウムが多い食事では、亜鉛も多く必要になります。
3.ミネラルは他の成分とのバランスが大切
このようにミネラルにはそれぞれ特徴があり、他の成分とのバランスによって働きに影響を与えます。
高品質のキャットフードには、これらのミネラルと他の栄養素とのバランスが考えられて作られているものがあります。そのような良質なキャットフードなら猫にも安心して与えることができるのでおすすめです。